フリーランスの「自由」とは不必要な人間関係からの開放である、他は特に自由ではない

このブログでは何度も書いているけど、私は会社員を4年弱やった後に27歳ぐらいでフリーランスになり、3年でフリーランスに飽きて再び会社員になった。それから3年以上が経ち、今は再び次の働き方について真剣に考えている。

もう少し詳しい経緯とか考えていたことは、この記事に書いた。

 

最近、フリーランス時代の仕事仲間など数名と久しぶりに集まって「最近どうよ」的な話をしたり、フリーランスになろうと思っているという人の相談に乗ったりすることが重なり、思うところがあったのでログっておく。

 

 目次

 

そもそも「自由」って何なのよ

フリーランスは自由、よく言われることだ。

そこでWEB ディレクター時代の職業病なんだけど、そもそも「自由の定義って何なのよ」という話である。

自由という言葉は広すぎる。人によって解釈が違い過ぎる。

そこを要件定義しないと、この話は始まらない。

 

よく聞く話だと、

  1. 勤務時間という概念、出社や退社や定時がない ⇒ 自由
  2. 自らの裁量で仕事ができる、承認を取る必要がない ⇒ 自由
  3. 業務内容が偏らない、好きな仕事を優先して取れる ⇒ 自由

とかなんだけど、これらは既に何人ものフリーランス経験者が言っているように、特に自由というほど自由ではないと思っている。

 

ただし、ここで強調したいのは、結局のところクライアントに左右されるから自由ではないとか、運転資金を回すために奔走する結果となり自由ではないとか、そういうことが言いたいわけではないということ。

そうではなくて、上記1. 〜3. に上げたような自由さは、べつに会社に属していても享受することができる自由だから、特に自由というほど自由ではないのである。

 

近年ではフレックスタイム制やリモートワークの認知が広がり導入企業が大幅に増えたし、そのためのスキルや必要な機器などが整理され始めている。

実力さえあれば、けっこうな範囲まで自らの裁量で仕事ができるし、それは業務内容の偏りについても同様だ。(実力さえあれば。)

 

だからフリーランスであろうと会社員であろうと上記1. 〜3. ぐらいの自由であれば、あんま変わらない。

ということに、会社員に戻ってからの3年ぐらいで気づいたんです。

 

フリーランスと会社員で圧倒的に違うこと

では何が違うのか。

それを一言で言うと、

 ・会社員は「学校の教室」に近い環境で働く

 ・フリーランスには「学校の教室」が存在しない

ということである。

 

教室が存在しないって、どういうことだろうか。会社は学校じゃねえ、などと憤らず、もう少し話を聞いて欲しい。

 

我々は一応、仮に、建前上、「皆で協力して利益を追求しようや」という輝かしい名目のもとに集まり、会社として体を成し、日々がんばっている。(はずである。)

しかし人間が何人も集まって目的を共有し、一つのオフィスで働く、または一つのチャットルームの中に突っ込まれる等の状況が発生すると、90%以上の確率でそこは学校の教室のようになるのだ。

 

例えば、

  • 派閥・仲良しグループなどが形成される
  • 皆で雑談をしたり余暇に遊びに行ったりする
  • 唐突に奇声を上げたり唐突に泣き出す子がいる

と、まあこんな具合である。

レベルの程度に差はあれど、多かれ少なかれ人間が集まる以上は当然のことだと思う。

 

フリーランスの場合、人が集まってないので、このようなことが無い。

また、フリーランスが何人集まったところで、そこは学校の教室とは少し異なった空間になるはずである。

各々が同じ目的のために協力する必要が、会社員の場合よりも圧倒的に薄いからだ。

 

必要な人間関係、不必要な人間関係

なんか「人間関係」という言葉がしっくりこないんだけど、まあいいや、とりあえず続ける。

  

教室の存在によって発生する様々な人間関係の全てを「不必要」と切り捨てるつもりは毛頭ない。

むしろ、よりよい協力関係を築くために必要なものも数多くあろう。

しかし、明らかに不必要と判断せざるを得ないものがあるのも確かだ。

 

例えば「個人的に気に入らない社員を冷遇する」などという行為。実は殆ど見かけたことがないが、人の話を聞く限り確実に存在するっぽい。

「個人的に」なんてどうでもいいんじゃ。貴様は企業の歯車の一つでしかないんだから個などという不必要な在り方を捨て、怒りも悲しみもない世界で生きようや、とでも言いたくなってくる。

必要以上に怒鳴る、長時間に渡って説教をする、等も同様だと思う。

 

このような極端な話ではなく、単純に利益を上げる、スキルを上げる、環境を整備する、と上へ上へを目指す上で、「それって必要なんですかね」というコミュニケーション、ひいては人間関係が煩わしい。

会社員の場合、これらが教室の存在によって引き起こされやすい、ということだ。

 

フリーランスでは、そのような不必要な人間関係を確実に、ある程度カットすることができる。

 

勿論、クライアントやパートナーとの人間関係は存在するが、そこは会社員も同じ。

なのでフリーランスは、100 あった不必要な人間関係を、50 に軽減できるようなイメージだ。

 

ちなみにこれ、一応「人によらない」デメリットのつもりです。しかし「大きな声で怒鳴られたい」「延々と説教されたい」という人にはメリットになってしまいます。

 

不必要な人間関係からの開放

フリーランスには教室が存在しないので、例えば同じ職場の異性からプライベートな誘いを受けて煩わしいということがないし、オフィス内で怒鳴り散らすオッサンの言動によりストレスを感じるということがない。

この開放感を自由と呼んでいいのであれば、それこそがフリーランスが手にする自由だと思う。

 

ちなみに私は他人の言動があまり気にならないタイプの人間だと自覚しているので、今のところフリーランスであることに、そこまでメリットを感じていない。

フリーランスに戻りたいとも思っていなければ、ずっと会社員が良いとも思っていない。

 

それでも時々、仕事に関係の無いコミュニケーションやイベントが発生するだけで、面倒くせえな、と思ってしまう時がある。

そういったストレスは、私がスキルアップを重ねる上で不要なものだと思う。

それは排除したい。私は教室でワイワイやるために働いているわけではないのだ。

 

そう、これは結局、ストイックに徹するかどうかの話でもあるんです。

高みを目指す上で不必要なものを排したい。そのための選択肢としてのフリーランス

しかし一方で、もちろん会社員であることによるメリットだって沢山ある。

そこを天秤にかけ、どちらが今の自分にとって必要かを判断することが大事なんじゃないか。

 

今の私は会社員であることのデメリットを甘んじて受け入れ、その代わりに会社員であることのメリットを享受している。

しかし、そのメリットの享受も一段落ついたかもしれない、と最近は感じている。
そうなると気になってくるのはデメリットだ。

 

なので、こういう記事を書きました。