スパイスカレーに入門したので東京の美味い店とか作り方とか整理しとく
もうカレーしか愛せない。
nico0927 は最近「カレー屋になる」と豪語しまくっており、Twitter にカレーの写真を投稿し続け(しかも深夜に)、作ったカレーのレシピ・原価を徹底的に記録している。
とりあえず会社を辞めて再びフリーランスに戻り、週に何日かカレー屋でバイトを始めようかと思ったりしている。ぶっちゃけ。
と、スパイスカレー(主にインドカレー)にハマってから半年ぐらいが経ちました。
ここで一回、これまでに手に入れたカレーに関する知識や情報を整理して吐き出しておきたいと思う。
目次
そもそもカレーとは何なのか
半年前の私には、カレーとは何なのか、何から出来ていて、どうやって作るのか想像もつかなかった。スーパーに売っている「ジャワカレー」等の固形のルウを水に溶かすんでしょ、程度の知識だった。
しかし、そもそも、あの固形のルウは何なのだろうか?洋食屋やココイチでも、あの固形のルウを水に溶かしているのか?あの固形のルウが無ければ、カレーは作れないのか。…当然ながら、そんなことはない。
現時点の私は、
- 玉ねぎ・生姜を炒めたものに
- トマトとかヨーグルト等を入れて混ぜ合わせ
- スパイス(主にクミン・コリアンダー等)を加えたもの
が、カレーなんだと理解している。
これはスパイスカレーやインドカレーと呼ばれる部類のカレーのレシピの多くに共通している工程で、もっともっと他のカレーも掃いて捨てるほどジャンルがあるので一概に全てが上記の通りではないと思う。
しかし、私が今まで食べたカレーの大体は多少の違いこそあれ、この工程を踏んでいるようだ。
逆に言うと、様々なジャンルのカレーも上記から枝分かれ・派生したものだ…と、言い切れるほどカレーの沼が浅ければいいのだが。
カレーの世界は最早、宇宙と同等の広がりを持っていて、とても一個人が何とかできる代物ではない。
そもそもカレーとは、インドでは「おかず」の意味であり、インド料理で出てくる副食は全てがカレーである…とかなんとか、都内屈指の名店と名高いナイルレストランの人が言ってたような言ってなかったような。
ところで、冒頭で語った固形のルウ、あれも結局は上記の工程から派生したものだろうか?上記の工程の後に固めたものが、あのジャワカレーの正体なのだろうか。
答えはNO、だと思っている。固形のルウは、カレーベースから派生した様々なカレーの味を再現するために科学的に開発された何かの塊である。
べつに固形のルウ自体を否定・批判するつもりは全く無いし、ジャワカレーは間違いなく美味しい。
色んなカレーの種類があるよ
さて、色んな店にカレーを食べに行くと、
- とりあえずライス or ナンとカレーを食わせる店
- カレーと色んな料理が一皿に盛られた「ミールス」を食わせる店
の二種類が存在することに気づく。
ここで後者まで本記事の範疇に含んでしまうと、あまりにも収集がつかないため、いったん前者の(恐らく一般的な)カレーの種類をまとめておくことにする。
まずは基本中の基本。
- インドカレー:たぶん世界のカレーの原点。前述の工程が起点になる。
- 欧風カレー:インドからヨーロッパに伝わり進化したカレー。甘め。
- 和風カレー:要は蕎麦屋のカレーと言って差し支えない。和風出汁を使う。
- エスニック系カレー:東南アジア系のやつ。ココナッツカレーとか。
- 日本っぽいカレー:インドからヨーロッパに伝わり日本に伝わった。日本人にとってカレーといえばこの味。
まず、こんな感じで国別っぽく分けることができ、更に大体は下記のように具材で分けて呼ばれる。
- チキンカレー:インドカレーのド基礎。どのカレー屋に行っても99%ある。文字通り、鶏肉を入れたやつ。
- ビーフカレー:日本人にとっては最もメジャー。たまにビーフカレーやってないよ、という店がある。牛肉を入れたやつ。
- ポークカレー:インドカレーを食べ歩いていると、まあ大体の店にある。豚肉を入れたやつ。
- マトンカレー:羊の肉を入れたやつ。上記三種よりメジャー度は劣るが、けっこうある。
- キーマカレー:ひき肉を使ったやつ。これも大体ある。
- 海老カレー:海老を入れたやつ。多くの場合、エスニック風な味付けではない。
インドカレーを食べ歩き始めて最初に気づくのは、「チキンカレーが基本なのね」ということだ。日本人は多分、ビーフカレーの方が遥かに食べ慣れている。
これはちょっと考えると当たり前の話で、インドで最もメジャーな宗教であるヒンドゥー教では、牛は神様である。
神様を食べる?アホか、となるに決まっている。大変、恐れ多いことである。
ちなみに私は一番ビーフカレーが好きです。食べるのも作るのも。
さて、この辺までは特にカレー好きでなくとも、たまに食べるカレーの範疇に入るのだろう。しかしカレーを食べ歩いていると、すぐに沢山の変なカレーに出会う。
例えば、ほうれん草のみをカレーにしたもの。鮭カレー。味噌カレー。ひじきカレー。etc...
この辺からカレー沼に最初の一歩をズブりと踏み込んだ気分になってくる。
要は何でもアリなのだ。だって「おかず」なんだもんね。「これ、カレーなんやけど」と言ったもん勝ちに近い。
メジャーなスパイスについて
カレーといえばスパイス!というところまでは知っていても、実際に何が使われているかを知る人は当然、少数派だと思う。
まずスパイスを大別すると「ホール」と「パウダー」の二種類がある。
種・粒の状態から加工しないホール、種・粒を挽いてサラサラの粉の状態にしたパウダーだ。
基礎的なカレー作りの工程では最初にホールを使い、途中と仕上げでパウダーを使うが、勿論レシピによって、その限りではない。
そしてインドカレーの超基本っぽいスパイスが、下記の四種である。
- クミン:"THE カレー" 的なスパイス。匂いが超カレー。嗅げば分かる。
- コリアンダー:パクチーです。パウダーを使うことが多い。
- レッドペッパー:唐辛子。辛いやつ。パウダーを使うことが多い。
- ターメリック:黄色いやつ。ウコンです。
大体のカレーに、これらのスパイスは入っている。カレーがカレーであるために必要なスパイスと思っておいて差し支えない。
ちなみにクミンはクミンシード(ホール)とクミンパウダー(パウダー)の両方か、いずれか。またレッドペッパーではなくカエンペッパー、と書いてあるレシピが多いだろう。
更に上記に加え、大体のカレー屋は下記と下記以外の様々なスパイスを使う。
- カルダモン:匂いの王様。高価。すげー良い匂い。
- クローブ:こいつもキツい匂い。釘のような変な形をしている。
- シナモン:お菓子でお馴染み。木の皮です。
- アジョワン:インド料理の基本スパイス。クミンに少し近い。
- フェヌグリーク:カレーっぽい匂い。ちょっと苦い。
- ローリエ:葉っぱ。色んな煮込み料理のレシピで目にするはず。
これらはカレーに使われるものの中でもメジャーであるというだけで、他にも店・作り手によって様々なスパイスが使われる。
ちなみにガラムマサラとレシピに書いてあるのを目にすることが多いと思うが、ガラムマサラは前述のスパイス等々を混ぜて作られるミックススパイスなので、上記には挙げていない。
これら以外にも無数のスパイスが存在するが、まあここまで挙げたもので基本的にスパイスカレーは作れる。
これ以上はもう一段階、レベルを上げてから出会っていくものという雰囲気がする。
スパイスカレーの作り方
さて、じゃあいっちょ作ってみるか、となったところで、ざっくりと私がよく作るスパイスカレーの工程をまとめておく。
あくまで「そうやって作るのね」が分かる程度です。詳細は適当なレシピのリンクを貼っておくので、そちらを参考にして下さい。
- 下準備。肉を下処理し、鶏ガラとジャガイモ等でスープを取る。
- ホールスパイスを油で炒める。
- 玉ねぎを炒める。最低15分ぐらい。長いと45分近く。
- 生姜とニンニク、青唐辛子などを加えて炒め続ける。
- トマトを加える。ホール缶・カット缶・ピューレなど様々。
- ヨーグルトを加える。プレーンで。
- パウダースパイス・塩を加えて炒め続ける。
- 最初に取った鶏がらスープを加える。
- 肉を加える。7. の後に前後したりしなかったり。
- 煮込んで仕上げ。カレーの種類により様々。
大体の流れはこんな感じ。7. の辺りで、カレーっぽさを感じることができると思う。
ちなみに全行程で最低でも2〜3時間ぐらい。
分量などの詳細の参考に一つ、日本カレー界のスーパースターである水野氏のビーフカレーのレシピを貼っておこう。
東京都内の美味しいカレー屋
お待たせしました。そこまで言うならとにかく美味いカレー屋を教えてみいやということで、私が特に好きな店をいくつか挙げておきたい。
半年前から評判の高い店を50軒ぐらい食べ歩いてみたんだけど、500軒を食べ歩いた後にだって、下記の店は恐らく挙げるんだと思う。
デリー 上野店(湯島)
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13003605/
カレー好きなら知る名店の一つ。ここの「カシミールカレー」は個人的に、他の追随を許さない、抜きん出た存在だ。正直、こんな美味しいカレーに、こんなすぐに出会ってしまうとは思ってなかった。カレーどうこうという枠を超えて、ただただ美味い。(辛いの苦手な人は確実に駄目な辛さなので、気をつけて。)
BLAKES(千駄ヶ谷)
https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130601/13195491/
ここも、とにかく名前が挙がり「伝説」と呼ばれる名店だ。千駄ヶ谷駅か、原宿駅からギリ歩ける距離。私が好きなのはビーフだけど、バターチキンも頬が蕩ける美味しさ。もとはGHEE というお店で、GHEE の血を引くお店も沢山あります。
般゜若(下北沢)
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131802/13215255/
「ぱんにゃ」と読みます。ベーシックなチキンカレーなら、ここが一番好き。本格派なのに毎日でも食べ飽きないような不思議な美味しさがある。最近は特に移転して行きやすく・入りやすくなりました。
ボイシャキ(恵比寿)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13202507/
実に不思議な味のカレーを食べれる。たぶん「こんな味のカレー食べたことない」という感想を抱く人が多いのではないか。バングラディッシュカレーとのこと。しかし美味しいぞ。
ガラムマサラ(経堂)
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131813/13013124/
ここも有名で、やっぱり安定して美味しい。スパイシーで少し上品な感じ。ここに挙げた中だと一番「インド料理屋」という雰囲気の店舗で、カレー以外にも色々と楽しめる。
他にも挙げたい店は沢山あるんだけど、行きやすさとか入りやすさも考えて、とりあえず、この5つ。
他に行った店の半分以上は、Twitter のモーメントにまとめています。
WEB 屋からカレー屋へ
最後に、これは個人的な余談だ。
私は大学在学中にHTML というマークアップ言語の魅力に取り憑かれ、そのままWEB デザイン、WEB エンジニアリング、WEB ディレクションとWEB 制作に必要なスキルを学び続け、いわゆる「WEB 屋」として10年弱ぐらいを過ごしてきた。
WEB 制作は自分にとって趣味であり天職だと信じてきたし、これから先も、それは変わらないと思う。
でも今、WEB 制作と同じか、もはやWEB 制作より楽しいんじゃないかと直感するぐらいハマっているのがカレーなのだ。
繰り返しになるけど、カレーの世界は本当に広くて深い、宇宙みたいだ。
それは、この記事でも触れた様々なカレーのバリエーションや、作る工程の複雑さからも感じ取って貰えると思う。
趣味を仕事にすべきと信じて疑わない私なので、毎日24時間ずっと好きなことしかしたくない私なので、もはやカレー屋になることを本気で検討しつつある。
今まで身につけたスキルとか関係ない。これまでの経験とかどうでもいい。
こんなに楽しそうなものが目の前に転がっているのに、それに飛び込まない生き方なんて考えられない。
ということで、もう新しいJavaScript のライブラリが出てもnpm install したりしないぞ。その時間を帰ってカレーを作ることに費やすわ。
…と意気込みながら、自分が出す店のWEB は絶対に自分でデザインしてコード書いて作ってしまうであろうことが安々と想像できるnico0927 であった。