アニメ感想:エロマンガ先生(2017年・春)ー 和泉紗霧は人為的な交配により生み出された最強の愛玩動物だった

推薦度:B

 

 

キメラ (chimera) とは、同一個体内に異なった遺伝情報を持つ細胞が混じっていること。またそのような状態の個体のこと。 この用語はギリシア神話に登場する伝説の生物「キマイラ」に由来する。

(キメラ - Wikipedia より)

 

エロマンガ先生」のヒロイン、和泉紗霧は「キメラ」であり、人為的な交配により生み出された最強の愛玩動物だった。

そこには本来の「種が混在している」という意味だけではなくて、例えばRPG の世界で敵キャラとして登場する「キマイラ」や、HUNTER✕HUNTER の作中に登場する「キメラアント」が持っている、ある種の畏怖・おぞましさのようなものを、和泉紗霧からも感じるという部分まで含んでいる。

 

和泉紗霧は主人公である和泉正宗の「妹」で、同じ屋根の下に住んでいる。(実の妹ではない。)

そして「引きこもり」の「ツンデレ」だ。更に「エロい」絵を好んで描く「イラストレーター(絵師)」である。

要約すると、妹+ロリ+エロ+ツンデレ属性の女の子が主人公と同じ家に住んでいる。

で、主人公のことが好き。

 

これはもう、けしからんとか、そういうレベルの話ではない。はっきり言って、怖い。

そこまで都合の良い話があるか。フィクションとはいえ、やり過ぎである。

 

例えば、ここにマンチカンという種のネコがいて、チワワという種のイヌがいる。

こと「愛らしさ」においてネコ・イヌ業界のスーパースターである両種を交配させれば、更に可愛い愛玩動物が生まれるのではないか?

ということを思いつき実行してしまったら、北の海で捕鯨を批判することに命をかけている何とかという団体に似たような団体から批判が殺到するだろう。

 

いや、念のために断っておくと、私は和泉紗霧のキャラクターを批判しているわけではなくて、適切に表現しようと努めた結果、このような表現になってしまっただけの話なんだけど。

 

そしてこのアニメのご都合主義は、何も和泉紗霧に限った話ではないのね。

そもそもハーレム展開なんだけど、主人公に想いを寄せる女の子の殆ど全員がツンデレ。そんなにツンデレが好きか。

更に、主人公がラノベ作家で、ヒロインは絵師という設定なんだけど、オタク文化的なものに没頭した若者が目指す職業トップ3に、ラノベ作家と絵師はランクインするような気がする。

こういうところも、「ハンバーグとソフトクリームが好物だからハンバーグの上にソフトクリームを乗せてみた」ような違和感(?)を感じてしまう。

ハーレム展開とか、ツンデレとか、ラノベ作家や絵師、それ自体はいい。どれも素晴らしいじゃないか。しかしここまでミックスされると、という話だ。

 

再びまとめよう。

妹+ロリ+エロ+ツンデレ属性で絵師としてそこそこ人気がある女の子がラノベ作家の主人公と同じ家に住んでいる。で、主人公のことが好き。

これはもう、ありえないとか、そういうレベルの話ではない。はっきり言って、おぞましい。

そこまで都合の良い話があるか。フィクションとはいえ、やり過ぎである。

 

ここまで来ると、もうこれは諦めがつくというか、「このアニメは、こういうもの」としてアトラクション感覚で楽しむことができるようになってくる。

 

ラノベ作家の主人公の隣の家にラノベ作家が引っ越してきて、しかもそれが売れっ子作家かつ美少女でも、「すげー」という感想しかない。

更に極めつけは、その売れっ子作家の美少女「山田エルフ先生」が当然のように主人公を好きになり、こういった感じの告白をする。

 

「あんた、私のお婿さん候補だから!」

 

「か…勘違いしないでちょうだい。あんたなんかに私が恋しちゃってるわけじゃないんだからね!」


「ただ…その、そう…あれよ、あんたと結婚したら毎日楽しいかなって、幸せになれるからって、そう思ったから!」

 

「つ、つまり、俺は今、お前に、ププププロポーズされてんのか?」

 

「ち、違うわよ!私じゃなくて、あんたが私にプロポーズするの!そしたら、前向きに検討してあげるわ。」

 

「お、俺がお前にプロポーズなんて…しないぞ!だって、俺は…。」

 

「いいえ、するわ。だって、あなたは私に惚れるもの。近い将来、他の誰かじゃなくて、私のことが一番好きになるもの。」

 

(アニメ「エロマンガ先生」第九話より)

 

…こんな告白があるか。

フィクションとは言え、やり過ぎである。

 

しかし、冷静に記事を書いている私だからこそ「そんなわけあるか」となっているが、実際に視聴していた際は「エロマンガ先生」という名のアトラクションに没頭している状態であったため、気がついたら涙が…。

まあ、この告白はセリフだけではなくタイミングや背景も含めて、とても良かった。元来、ツンデレキャラというのは、ここまで真っ当な(?)告白をしないものだし。

 

まとめると「エロマンガ先生」は、圧倒的に刺激が強い要素ばかりを詰め込んだジェットコースターのようなアトラクションだった。

理想と理想と理想をかけ合わせた結果、恐ろしい何かが生まれてしまった。

これはこれでアリなんだろうし、何より最後まで観ることができるアニメだから、批判するつもりは一切ないです。

適切な表現に努めようとした結果です。