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アニメ感想:冴えない彼女の育て方(2015年・冬)

 

推薦度:A

 

冴えない彼女の育て方♭」が始まっている。

ということで、その1期である「冴えない彼女の育て方」を見直した。2回目だ。

 

 

このアニメはもの凄く、とてつもない、ある種の理想的な世界が描かれている。

そもそも典型的なハーレム展開かつトリプルヒロイン(後半に4人目も5人目も出てくる)である以上に、そいつらが一つのチーム(サークル)になって主人公の部屋で合宿をし、絵を描き、ラノベを書き、曲を書いて、一つのゲームを作り上げていくのだ。

で、そのゲームをコミケに出展することを目指すときた。

オタクと括られてしまっている方々にとって、これ以上の理想の世界があり得るのだろうかと思ってしまうのは、私の偏見だろうか。

 

ヒロイン達のキャラクターも立っている。

ツンデレお嬢様で同人誌の原画家の金髪ツインテール

毒舌お姉さんで人気同人作家の黒髪ロング。

自由奔放エロ担当でバンドマンの幼馴染。(髪はよく分からん。)

そして主人公が一目惚れするメインヒロイン、あまりにもキャラが立っていないことによって逆にキャラが立っている正統派の黒髪ミディアム。

ありきたりなキャラクターに囲まれたメインヒロインのみが特質系で、実は一番キャラが立っている。

深夜アニメを見続けている私達は、メインヒロイン以外のキャラクターを嫌というほど見慣れているから。

まあ、こういったバラエティに富んだ?キャラクター構成もまた、あまりにも理想的な世界が描かれているように見える。

 

要するに、これでもかと鉄板とテンプレが組み合わさっているアニメだ。

作画も安定していて、ストーリーは分かりやすく、展開のテンポが良い。

それが「いつまでも浸かっていられる、ぬるま湯」という風に、その通りで弁解のしようもない。

(ちなみに、こういうメタな表現も、こういうアニメのお約束だ。)

 

ただ、もしもこのアニメのメインヒロインが加藤恵ではなかったら。

このキャラクターが存在せず、普通に澤村・スペンサー・英梨々とかがメインヒロイン気味な設定だったら、脂っこ過ぎて食べる気が失せるミックスフライ定食のようになっているはずだ。

加藤恵というキャラクターを第一に据えることで、ここまで無茶苦茶に鉄板とテンプレを詰め込んでも見やすいアニメになっているのだろう。

 

また、メインヒロインである加藤恵はヒロインというより、このアニメの主人公であるという見方もできる。

彼女以外のキャラクターは基本的に頭がおかしいからだ。

プロデューサーも原画家ラノベ作家もバンドマンも基本的に頭がおかしいし、ある種の才能がある人間として描かれている。

加藤恵はそんな中に一人だけ放り込まれている、最もまともな人間である。

オタク文化的なものに理解のない方々は、加藤恵にこそ自己投影し、共感を頂くのかもしれない。

 

それをメインヒロインという設定にしてあるところは、すごく皮肉っぽい。

オタク文化的なものの中でも最高峰に理想的な世界の中のメインヒロインが、全くオタク文化的なものに興味がなくてキャラ設定が薄いとされる普通の女の子なのだ。

結局そんなもんだよね、ということかな。

 

とはいえ、とにかく深夜アニメを見続けている人に対しては、とてもオススメできるアニメであることは間違いない。

トーリー的にはまだまだ完結していないはずなので、既に始まっている2期も楽しみに見れると期待している。

もっとも、これは本当に「いつまでも浸かっていられる、ぬるま湯」なので、完結しなくていいんじゃないのと思うんだけど。