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人生相談に乗ってもらった:ビジネスのために制作をするのか、制作のためにビジネスをするのか

前回の記事を書く二週間ぐらい前のこと。

「人生相談がしたい」と連絡した相手がいた。(そんな連絡をすること自体が人生初である。)

 

考えたことをログに残しておきたいので、まとめていこうと思う。

 

目次

 

今回の相談相手について

今の職場を通して知り合った、お酒が好きなA さん。

30代半ばの女性で、軽く10年以上は個人事業主だったが、最近になって法人化した。

もとはデザイナーで、今はディレクターをしている。

 

何故この人に連絡したかというと、何となく自分に近い存在かつ、その道の先輩であるような気がしたから。

あと、すごく仕事ができる人だ。(という噂を、よく耳にする。)

ついでにタイミングも良かった。

 

「WEB は好きじゃなかった。自分の大切な存在と関わりが深い仕事を選んだ」

 「飲みませんか?」とA さんに連絡したら、二つ返事で「今週末どう?」と快諾してもらい、よく行くバーを梯子して色々と話した。

 

最も記憶に残っているのが、A さんが法人化を決意したくだりの話だ。

 

WEB のデザイン~ディレクションをやってきたが、実はそこまでWEB が好きでもなかったA さんは、最終的に「自分の大切な存在」と関わりが深い仕事を選ぼうという結論に辿り着いたそうだ。

彼女にとって大切な存在とは、自宅で飼っているペット達だという。

そのペットと関わりが深い仕事を続けることで、少しでも多くペットのことを考える時間が持てる。ペットと過ごす時間も増やせる。

そういった仕事を生涯続けることを決意し、法人化した…とのこと。

 

素直に「そんな考え方があるのね」と思った。

私はWEB が大好きだが、大切な存在と表現するようなものではない。

正直、「一生飽きそうにない、めっちゃ楽しい玩具」だと思ってる。

 

A さんは大切にしたいものがあり、それに沿った働き方を選んだ。

 

スキルアップは掛け算。異なるもの同士を掛け合わせること」

二軒目のバーでA さんの旦那さんが合流した。

旦那さんは初見で、デザイン事務所を経営しているという話だけは聞いていた。

 

「制作ばかりやっていても、どこかで伸び悩むよね」という話の流れで、

 

スキルアップは掛け算なんだよ。デザインだけじゃなくて、時には指圧師の資格取得を目指して勉強してみるの。そしたらもっと良いデザインができるようになるよ。」

 

みたいな、例えが突拍子もない話をされたんだけど、本当にその通りだと思っている。

それはデザインの引き出しが増えるとか、そういう細かい話ではなくて。

 

個人的には「新しいものに対して真剣に取り組むことを、いくつ繰り返したか」という経験が積み重なって、過去に取り組んだものにも生きてくると思っている。

 

新しいものに取り組むということは、基礎からやり直すということだ。

何に取り組むにせよ基礎練習というものは、単純な反復の繰り返しでキツい。

しかし、それを繰り返した質と量によって、その後の上達のスピードが圧倒的に変わる。

 

新しいものに取り組んだ数だけ、何をするにせよ本質的には大差ない基礎練習を繰り返すことになる。

だから限定的ではない、応用の効く基礎力が伸びていく。

指圧師になるための勉強は、きっとデザインの役にも立つのだろう。

もちろん、本気でやればの話だが。

 

ビジネスのために制作をするのか、制作のためにビジネスをするのか

前回の記事で私は意識的に「制作」と「ビジネス」を分けて書いていたけれど、今回のA さんとの話の中でも、最後の方に制作だのビジネスだのという話をした。

 

「ビジネスって何なの?制作は、ビジネスじゃないの?」

 

というようなくだりがあって、その後で明確に気がついたんだけど、

  • 一般的にはビジネスのために制作をしている
  • 過去の私は、制作のためにビジネスをしていた

のである。

(この「一般的には」という言い方には語弊があり補足が必要だけど、あえてこう書いている。)

 

制作により生まれる成果物は、クライアント企業の利益を増やすことが期待されている。

だからこそクライアント企業は成果物に対価を払い、ビジネスが成立する。

言いかえると、ほっといても利益さえ増えるのであれば制作による成果物は必要ないということだ。

 

当然であり、「こうやって利益を増やそう」という計画を立てるのが今の私の仕事なので、私だってクライアント企業の利益さえ増えるなら制作による成果物はあってもなくともよい。

これが、「ビジネスのために制作をしている」状態である。

 

一方、フリーランスだった頃の私は、「毎日、制作をしていたい」という欲求が先にあり、それは欠かせないものだった。

そこで制作による成果物が必要なクライアント企業から案件と対価をもらうことで、常に制作を続けていられる環境を作り上げていた。

これは「制作のためにビジネスをしている」状態である。

 

前者は、私とクライアント企業の求めるものが似ている。

後者は、お互いに求めているものが違う。

どちらが正解という話ではないが。

 

うおおお、もの凄く当たり前なことを意味ありげに書いているような気がして腹が立つが、まあ仕方ない。

ぐだぐだと考えたことをまとめてきたが、いったんここで一区切りとする。

相談シリーズは続けていく予定なので、また考えたことは次の記事に書く。

 

優先すべきものが変わろうと、今でも制作は大好きだ。毎日そればっかりやってたいという想いを失ってはいない。